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MPUFライブラリ PM記事(1)   


「TOC−PM(クリティカル・チェーン)」 
=クリティカル・チェーンは日本を救えるか?=

2004年10月
(株)ロゴ 酒井 昌昭
<背景=日本のマネジメントの現状>

 一般的に日本は要素技術偏重傾向にあり、マネジメントへの取り組みは不足していると言える。その一方で業務改革のツールと言えば、カイゼン、TQC、シックスシグマなど様々なツールが上げられるが、殆どの組織ではプロジェクト体制で業務を推進しており総合的にはプロジェクト・マネジメント(以下PMと略)が適切であると考える。

 PMのバイブルと言われる『PMBOK』は知識を体系化(Body Of Knowledge)した点で大いに評価に値するが、現時点では課題解決の提供までは未だできていない。その点でTOC−PM(別名クリティカル・チェーン)は具体的ソリューションまで提供しており、新世代のPMと言える。

<TOCとは=Theory Of Constraints(制約条件の理論)>

 TOCは、ベストセラー小説『ザ・ゴール』で有名になったエリヤフ・ゴールドラット博士の理論で、「システムは最も弱い部分で制約される」と言うもの。システムの最も弱いところに着目して全体の最適化を図るという点で他のツールやシステムとはアプローチが全く異なる。全体統合的(Holistic)アプローチと言われる。それは例えば経験豊かな医者は、発熱や、咳、背中が痛い等々患者から申告される個々の症状に個別に対処するのではなく、それらの症状を引起こしている根本原因の究明と検証の後に、根本療法を施すと言うのに似ている。 (図A、B)

それらの解析・検証のプロセスはロジカルなTOCの思考プロセスの手法に沿って行なわれる。丁度、昔の名参謀(例えば赤壁の戦いの諸葛孔明)が取ったであろう「思考プロセス」を再現できるというわけである。(図C)
 その結果、各適用分野に標準形として使える「Logistics(具体的なツール)」が準備されている。PMの領域に適用できるものがTOC−PMである。手法が理解できれば実行できると思われているがそれは間違いである。単にタイヤだけが付いた車の様なもので、組織には常に推進力を生み出し続けるエンジン役としての思考プロセスの併用が実は必須である。 しかしながら、ここでは紙面の関係上わかり易いロジスティックとしてのTOC−PMに関してのみ述べる。

<TOC-PM=クリティカル・チェーンとは?>
プロジェクトは何故上手く行かないのか?:中々難しい設問であるが、TOCでは次のように分析している。@元々、プロジェクトは遅れるような構造になっているのである(図D)。 A更に人間の行動特性がそれを加速することになる(※「ゆで卵の基準」:作業の完了基準があいまいな場合、「念のために」といつまでも作業を続ける傾向。他にも「学生症候群」、「パーキンソンの法則」、「予防線を張る」などがある)。 従来はそれらを阻止するために、特定の人(多分のプロジェクト・マネジャー)が遮二無二頑張る、又は非常に細微なマネジメント(マイクロ・マネージメント)を行ない、結果疲弊する事を行なっていた。叱咤激励は裏目にでて叱責になってしまいメンバーのモラルダウンが多発する事態になっていた。 TOC−PMがはじめてプロジェクトの構造的特性や人間の行動特性までを分析し、システムとして編入したのである。又、これは随所でパラダイムを変える事を意味する。





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酒井 昌昭:(株)ロゴ取締役副社長。エグゼクティブ・コンサルタント。AGI認定、ノベーションズ認定コンサルタント。 ソニー鰍ナ35年間、数多くの商品化プロジェクトの他、海外R&Dや業務改革プロジェクトを経験。現在は(株)ロゴ及びプラネット(株)でPMコンサルタントを行なう。

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